基本理念の考え方


 生涯学習社会とは、生涯のいつでも自ら選んだ学習ができ、その成果が適切に評価される社会です。
こうした社会の構築が求められている理由として、次の2つをあげることができます。


から、希薄化した地域のコミュニケーションを再生しようという動きもあります。長い生涯の時々に充実した時を刻み、人々との出会いを大切にしながら潤いのある時を過ごせることが望まれていく社会であるだけに、生きがいはこれまで以上に重視されていくことと思われます。
 人々が「生きがい」を得やすい社会を実現するには、何度でも、どの年齢においても、自己実現に向けて挑むことが可能な社会、努力が報われる社会、成果を発揮しやすい社会を構築することが大切です。
 その一つは、人々の「生きがい」という課題です。
人は、いつでも自らが生きる価値を見出そうとして、そのための努力や挑戦や思考を繰り返しながら人生を送ります。人生とは「生きがい追求の営み」であるといえるのです。そのため、生涯学習社会には、人々の生きがい追求の場としての役割が期待されています。
 現代は、医療の進歩などにより、人々の平均寿命が延びています。また、都市化や個人主義傾向の強まり

 もう一つは、「まちづくりは人づくり」と言われるように、「まちづくり」と「ひとづくり」との間には密接な関係があることです。
 ここでいう「まち」とは、単に人の集まりをさすのではなく、そこに住む人々によって問題の解決が図られ、工夫がこらされることによって住みよくなり、魅力や豊かさが増すところをさします。市民が賢明で、活力や行動力に富んでいれば、市民主導により魅力に富む住み良いまちがつくられます。生涯学習社会には、人づくりによって地域に豊かさを育むことが期待されています。人づくりがまちづくりに反映されるためには、市民が参画できる社会、市民の力が地域に生かされる社会を構築する取り組みが大切です。
今後は、地方分権が徐々に進行することが予測されます。それぞれの地域には、地域の責任において望ましいあり方を探り必要な手立てを講じていく力が求められます。これからは、地域自体が考え、行動する力が求められる社会へと移行していくことになります。それだけに、まちづくりの基盤として生涯学習が果たす役割は大きくなっていきます。