子供にとっての幸せ




       幌別中学校

       3年  鈴木 麻由

 

 子供にとって何が一番幸せなのか。そのために、大人は何をするべきなのか。
 私はそれを確かめるために「子供の権利条約」を調べてみました。
 そこには、「お父さん・お母さんには、子供を育て、発達させるのにまず一番に責任がある。子供に一番いいことを考える。」ということが書かれていました。
 でも、本当に親は、子供たちのことを真剣に考えているのでしょうか。

 私の母は保育士です。母は、いつも私に保育所の話を聞かせてくれます。子供たちのかわいい顔を想像して、母と二人で笑って聞いているのですが、その裏には悲しい現実もあります。

 昨年度から、「休日保育」が始まり、休みの日でも、保育所で子供を預けることができるようになりました。
 ですから、母は毎日のように保育所に行きます。でも、そのことはつまり、その子供が365日のほとんどを親と離れて過ごしているということになります。
 確かに働く親にとってはこれらの制度はとても助かることだと思います。でも、親は、便利になっていく社会に甘えてはいないでしょうか。子供を保育所に預け、大人はどこかへ遊びに行く。そんなことがないと言い切れるでしょうか。

 総合の学習の時間に、「児童相談所」に行く機会がありました。そこで私は、「児童虐待」について聞くことができました。児童虐待で一番多いものは、「ネグレクト」と呼ばれる「育児放棄」だそうです。若くして子供を産みはしたが、まだ遊びたい。すると、子供のことは二の次、三の次になってしまう。しまいには、子供が邪魔になってしまい、育児を放棄してしまう。これが「ネグレクト」です。
 幼い子供たちは「お母さんと一緒にいたい。甘えたい。」と思っているはずです。それなのに、お母さんはいつもどこかに行ってしまう。
 この日本に、親と一緒に過ごすことのできない子供がたくさんあふれているのです。

 親、大人が側にいて子供は育ちます。子供の目に映っているのは誰の姿なのでしょうか。お父さん?お母さん?それとも保育所の先生?

 大人は不安や悲しみを自分で解決することができます。でも、幼い子供は親のぬくもりがなければやすらぎを得ることはできないのです。
 子供にとって一番大切なもの。それは、かわいい服やおもちゃではなく、親がいつも側にいることです。
 振り返るといつも、お父さんやお母さんが側にいる。それだけで、子供は安心し、やすらぎを得ることができるのです。
 今は愛を知らずに育っていく子供が多すぎると思います。皆さんは「愛」という言葉の意味を知っていますか。この言葉には「大切に思う。いとおしむ。思いやる・・・」などの意味が含まれています。

 自分の子供を愛してください。いつも側にいて下さい。一緒にご飯を食べ、一緒に遊んで下さい。子供は親のぬくもりの中で、「愛」を感じ、「愛」を育んでいくのです。

 子供の未来を創るのはお父さん・お母さんです。
 子供にとって一番幸せなこと、それは親の愛情です。
 そのことを、今の大人へそして、将来親となるであろう私たちに伝えたいと思います。
 ありがとうございました。