心のバリアフリー




       幌別中学校

       3年  平岩 由香莉

 みなさんは「バリアフリー」という言葉を知っていますか。健康な人だけでなく、お年寄りや障害を持つ人まで、つまり、あらゆる人々が不自由を感じることなく過ごせる環境のことです。例えば車イスでも移動しやすいように段差をなくしたり、スロープをつけたりすることです。今では多くの公共施設でバリアフリー化が進んでいます。しかし、一歩街に出てみるとまだまだバリアフリーがととのっていません。バス停には段差があったり、せっかく点字ブロックを設置している所に自転車がとめてあったりします。そんな街では、きっとお年寄りや障害をもつ人々は安心して暮らすことができないと思います。
 私は二年生の総合的な学習でお年寄りや障害をもつ人々の暮らしについて調べました。実際に車イスに乗ってみましたが、普段は気にもしないような段差が障害物となり、だれかの手助けがなければ身動きできませんでした。きっと車イスの人は、普段の生活の中でたくさん苦労をしているのだと思います。みなさんも、ぜひいちど体験してみてほしいです。車イスで生活することの大変さがよく分かると思います。
 しかし、ただ設備がととのっているだけでいいのでしょうか。総合的な学習で調べている中で「心のバリアフリー」という言葉を知りました。たしかに多くの公共施設ではバリアフリー化が進んでいます。しかし、街中を完全にバリアフリーにすることは、とうてい無理なことだと思います。もし、多くの費用をかけて街中をバリアフリーにすることができたとしても、ほんとうにそれでいいのでしょうか。せっかく点字ブロックを設置しても、その上に自転車をとめるような人がいると、意味がありません。私は、人を思いやる気持ちが大切だと思います。実際には、街中をバリアフリーにすることは困難です。街中をバリアフリーにすることができなくても、困っている人がいれば、助けてあげる。それだけでいいのではないでしょうか。車イスに乗った人が段差のある所で困っていれば、「手伝いましょうか。」と声をかける。目の不自由な人が道を渡れなくて困っていれば、「一緒にわたりましょうか。」と声をかける。街中をバリアフリーにできなくても、私たちにできることがあります。困っている人を見たら、その人のことを思いやる。手伝えることはないか、考える。そして、少し勇気を出して、声をかける。ほんの少しのことで、バリアフリーになるのではないでしょうか。
 今の社会に大切なことは心をバリアフリーにすること。そして相手の気持ちになって考えられれば、もっと社会は良くなり、お年寄りや障害を持つ人々が安心して生活できると思います。私も困っている人がいれば手助けできるような気持ちをもてるようになりたいです。みなさんも心をバリアフリーにしてみませんか。